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研究室が目指すもの
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神経生理学研究室の大きなテーマは「脳内神経ネットワークによる情報処理の分子・細胞機構の解明」です。この課題に挑戦する理由は3つあります。

まず第1に、内臓機能から運動・感覚までのあらゆる生体機能の制御と情報処理、さらには、感情や記憶などの「人間性」の根幹をもなす高次脳機能が、単一細胞内の分子機構によってではなく、脳内の多数のニューロンによる細胞間情報伝達によって成立しているからです。このような機構の解明には、ゲノム医学やプロテオーム医学的アプローチだけでは十分ではなく、多数の分子・細胞の挙動をネットワークとしてとらえ、その細胞間情報伝達のダイナミクスを解析するアプローチが必須となります。本研究室では特に、痛みや内臓感覚などの原始感覚情報の統合・制御、そして、それによって生じる情動に関連する神経ネットワークの可塑性を中心に、ニューロン間情報伝達の分子・細胞機構を明らかにしようとしています。

第2の理由は、このようなネットワークにおける情報処理の制御異常が、未だ病因や治療法が解明されていないさまざまな神経疾患の発症過程において重要な役割を果たしているからです。シナプスをめぐる諸分子群の異常がどのような機構によってネットワークの挙動の異常を引き起こし、どのような神経因性の病態を引き起こすのか? この問題を解決するために必要となる基礎的な知見を集積していくことは21世紀医学の最重要課題の一つです。本研究室では薬理学的な手法に加え、遺伝子改変動物や病態モデル動物の摘出脳組織を用いて、これらの神経因性異常の発生機構を解明しようとしています。

そして最後の理由は、最先端の神経科学において、このような「生物進化の最高傑作」ともいうべき高速シナプス伝達現象をリアルタイムで計測し、関与する数百に及ぶ分子群の役割を同定することが可能になっているという理由です。現代医学の最もチャレンジングな対象の一つがここにあります。本研究室では、高分解能・高精度の細胞活動計測を可能にするパッチクランプ法と、共焦点レーザー顕微鏡を駆使した動的細胞内イオン濃度イメージング法をはじめとする最先端の手法を用い、「生きた」脳組織標本における神経興奮とその伝達の分子的実態に迫っています。 これらのアプローチによって、中枢神経系のさまざまな神経ネットワークにおけるシナプス伝達とその制御に関与する分子機構に迫り、国際的な成果を挙げるとともに、同じ対象に迫ろうとする学内・学外ならびに国外の第一線の研究室と研究協力を進め、研究成果を世界に向けて報告しています。

慈恵医大・神経科学研究部 部長 教授 加藤総夫
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